コンサルタント日記

2015年01月30日

在宅医療連携拠点、新たに10区整備(横浜市)

 今週の朝日新聞の記事です。横浜市が来年1月から在宅医療の連携拠点を新たに10区整備するという内容の記事なのでご紹介します。こういう行政の後押しがあると、在宅医療の普及が進んでいくと思われます。特に、市民への在宅医療の啓蒙活動は非常に重要なファクターです。内容は下記の通りです。



『超高齢化が進み病院のベッドが足りなくなる事態に備え、横浜市は来年1月から新たに10区で「在宅医療連携拠点」を整備する方針を決めた。拠点では、各区の医師会と協力し、退院患者への在宅医の紹介などを行う。市では既に西区で運営しており、これで全18区のうち11区で整備されることになる。
 横浜市医療政策課によると、拠点を設置するのは、鶴見、港北、緑、青葉、都築、旭、瀬谷、中、南、金沢の10区。市は17年度までに全18区で整備する方針。
 拠点では(1)退院する高齢者の病態に応じ、適切な在宅医を病院に紹介する(2)在宅介護を担う地域包括支援センターやケアマネジャーらに医療的な助言をする(3)医療・介護関係の多職種による会議・研修を開く(4)市民への在宅医療の啓発などを行う。各区の医師会にある訪問看護ステーションなどで、ケアマネ資格をもつ看護師ら2人が相談員として業務にあたる。
 先行する西区では、昨年11月にモデル事業として「在宅医療相談室」を設置。これまで病院やケアマネらへの相談・支援は600件を超えた。訪問診療をする開業医も、21人から28人に増えた。
 市では元々、拠点整備費として今年度当初予算で約4300万円を計上していた。ところが、拠点設置を希望する区医師会が多く、12月補正予算で約3400万円を計上し、新たに10区で整備することにした。
 既に鶴見区や青葉区などの医師会では、訪問看護ステーションと連携し、医療・介護相談室の設置や、クラウド(インターネット上に情報を保管するサービス)を使った患者情報の共有などを進めている。市は主に、拠点の相談員の人件費をもつ形になる。
 拠点増設の背景には、団塊世代が75歳以上になり、医療・介護態勢が追いつかなくなる「2025年問題」に対応するため、在宅医療の環境整備を急ぐ必要があるとの判断がある。
 市の推計では、25年の75歳以上人口は、13年の36万4千人から1・6倍に増え58万6千人になる。在宅医療を必要とする患者数は、1日あたり2800人(13年)から、5600人(25年)に倍増する見込み。
 同課の推計によると、13年に自宅や特別養護老人ホームなど介護施設で死亡した人は4815人だったが、25年には2・4倍の1万1576人を、「在宅」(自宅・施設)で看取(みと)る必要があるという=グラフ。事故死などを除くと、市民の約8割が死亡する医療機関のベッドがほとんど増えないからだ。
 藤井裕久・在宅医療担当課長は「各区の医師会で進んでいる在宅医療推進の動きを後押しできれば。歯科医や薬剤師との連携が今後の課題だ」と話している。』


doctor_b3 at 09:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年01月16日

「医療費控除」で税金を減らそう

 本日の読売新聞の記事です。いよいよ確定申告の時期が近づいてきましたので、医療費控除に関する記事をご紹介します。詳細は割愛しますが、記事にもあるように、自費診療の部分や市販薬の購入費も対象になりますので、控除もれのないようにして頂きたいと思います。毎年の事ですので、日頃から領収証の整理が重要になってきます。内容は下記の通りです。



『医療費がかさんだときに忘れてはいけないのは、所得税の医療費控除です。
 一定額を超えた医療費を必要経費のように考えて、所得から除外できる制度です。確定申告すると、自営業の人なら、納める税金の額が減ります。勤め人なら、給料から源泉徴収されていた税金の一部を取り戻せます。年末調整を受けていても、改めて確定申告すればよいのです。
 ポイントは、保険のきかない自費診療、市販の薬、通院の交通費、そして介護費用の一部も控除の対象になりうることです。
 領収書の保存や集計の手間はちょっとかかりますが、上手に節税しましょう。
 今回(昨年の所得)の確定申告は2月16日から3月16日まで、各税務署で受け付けられます。電子申告で行う場合や、還付申告だけの場合は、今からでも申告できます。

年間10万円を超えた分が、所得から控除される
 医療費控除のために確定申告する意味があるのは、どういう場合でしょうか。
 まず、納めるべき税金があること(あるいは源泉徴収で納めた税金があること)です。所得税も住民税もかからない低所得の世帯は、確定申告するメリットがありません。
 次に、実際に負担した医療費の総額が年間10万円(所得が200万円未満の人は所得の5%)を超えていることです。家族全員が支払った医療費の1〜12月分を合計したうえで、各種保険の給付などで埋め合わされた分を差し引いて、10万円を超えていればよいのです。
 生計をともにする家族なら、医療保険の種類が違っていても関係なく、全員分を合計できます。どういうわけか、家族の人数にかかわらず、10万円の線引きです。
 所得税を課税される人が家族に複数いる場合は、そのうち1人が代表する形で、全員分の医療費をまとめて控除を申告できます。所得が多くて税率の高い人を選ぶのが得です。
 確定申告すると、10万円(所得が200万円未満の人は所得の5%)を超えた部分について、200万円を上限に課税対象から控除できます。したがって、控除額に税率をかけた分だけ所得税が減ります。所得が多くて税率の高い人ほどメリットがあるわけです。

翌年の住民税、各種制度の適用区分にも連動する
 それだけではありません。課税対象額が少なくなるのに連動して、翌年分の住民税(通常は市区町村民税6%、都道府県民税4%で計10%)も減ります。
 たとえば医療費が合計30万円かかったら、20万円を控除できます。所得税の税率が20%の人なら4万円少なくなり、さらに翌年の住民税が2万円減ります。
 重要なのは、申告して課税対象の所得が減ったり、住民税が非課税になったりすると、さまざまな社会制度の適用区分が変わる可能性があることです。高額療養費制度の区分、高齢者医療の自己負担割合、障害者や難病患者の医療・福祉の負担上限額、国民健康保険や介護保険の保険料などに影響するかもしれません。保育料、児童手当、就学援助、公営住宅などの利用の線引きにも関係することがあります。たとえ医療費控除で減らせる所得税の額がわずかでも、区分が変わると、大きなメリットを得られるわけです。
 また、所得税に比べて住民税のほうが基礎控除・配偶者控除・扶養控除の額がやや少ないため、住民税だけ課税されることがあり、そういうボーダーラインの人も確定申告するほうが得です。
 特殊なケースで、住宅ローン控除を受けることによって所得税がゼロになるときは、所得税の確定申告をするか、市町村に医療費控除の申告をすれば、住民税が少なくなることがあります。住民税には、例外的な場合を除いて住宅ローン控除がないからです。
 申告書は、国税庁のホームページを利用してネットでも作れます。医療費控除には原則として領収書が必要ですが、領収書がなくても、具体的な記録などで本当に支払ったことを示せば、税務署は認めてよいことになっています(保険運営者からの医療費通知だけでは困難)。交通費のうち電車、バス、船などは日付と運賃のメモでもかまいません。パソコンを利用した電子申告なら、領収書の提出を省略して自宅で保管することも認められています。
 なお、確定申告の期間を過ぎてしまっても、還付だけの申告なら、所得のあった年(あるいは源泉徴収された年)の翌年1月1日から5年間、提出できます。

保険のきかない医療も対象になる
 どんな費用が控除対象になり、どういう費用はならないのでしょうか。
 病気やけがの治療を目的とした医療費は、公的医療保険がきくかどうかにかかわらず、幅広く対象になります。自費診療、先進医療の費用やオムツ代も控除できます。はり・きゅう・柔道整復など国家資格者の伝統的な施術も対象です。妊娠・出産にかかわる費用も広く対象になっており、不妊治療の費用も含まれます。通院の交通費も控除の対象です(マイカーを使った分はダメ)。
 一方、医療機関に支払った費用でも、差額ベッド代など生活面の支出は対象になりません。美容や健康増進を目的にした医療も対象外です。健康診断や病気の予防も基本的には対象外ですが、一部、控除対象になることがあります。
 介護保険や障害福祉の扱いはややこしく、医療や看護に関連するサービスは医療費控除の対象になり、生活面のサービスは対象外という考え方です。』

doctor_b3 at 09:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年12月27日

医療器具使用履歴を「刻印」で簡単管理

 先週の朝日新聞の記事です。病院が医療器具の使用履歴を低コストで管理できる技術を業務用プリンター大手と浜松医科大学が共同開発するという内容の記事なのでご紹介します。この技術が開発され普及すれば、医療コストの無駄削減にも大きく貢献すると思います。早期に市販化されることを期待します。内容は下記の通りです。


『金属表面の数ミリ大の刻印を機械で読めば、いつ、どの手術で使ったかがわかる――。病院が医療器具の使用履歴を低コストで管理できる技術を、業務用プリンター大手のローランドディージー(浜松市北区)と浜松医科大が共同開発する。院内感染を防ぎ、手入れの時期もわかる。国の支援も得て、5年後の市販化を目指す。
 医科大が内視鏡手術などで使う1万2千個の医療器具に、同社の専用機で刻印する。金属の表面を針でへこませる方式で、印字が消えず、さびにくいという。刻印は医療器具のデータベースと連動させ、製造元や型番、使用履歴がわかるようにする。院内感染を防がなくてはいけない疾患に使われた器具を仕分けるにも便利だという。
 同社によると、多くの医療機関ではコスト面から、医療器具の数や履歴が把握できていない。共同開発は、安価に器具を管理できる仕組みづくりが狙いだ。
 今回の共同開発では、医療器具の洗浄や組み立ての手順書を電子化し、ミスが起きにくい環境も整える。パソコン画面の指示を頼りに、組立工1人でプリンターをつくる同社の製造ノウハウを応用する。
 共同開発は産学連携を後押しする経済産業省の今年度のモデル事業にも選ばれた。初年度に必要な金額の3分の2にあたる約3500万円の補助金が出る。』


doctor_b3 at 10:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年12月05日

患者死亡後、群大病院に安全認定…医療評価機構

 本日の読売新聞の記事です。医療機能評価の認定を受けている群馬大病院で、腹腔鏡手術において8人が死亡しているという内容の記事なのでご紹介します。非常に難しい問題ですね。私も機能評価の更新の模擬審査で、サーベイヤーとして、ある病院の機能評価について審査をお手伝いしたことがありますが、書面や現地調査をしても実態をすべて把握するのは困難だと思いました。但し、記事にもあるように、認定病院は医療事故について報告義務がありますので、それを怠ったことは、非常に問題だと思います。内容は下記の通りです。




『群馬大病院(前橋市)で、腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題で、同病院が、日本医療機能評価機構から安全・安心な医療サービスを行う病院として認定証を交付されていることがわかった。
 審査では、新しい手術を導入する際の倫理・安全面の配慮について、上から2番目のA評価を受けていた。
 同機構は、第三者機関として1997年から病院の機能評価を行っている公益財団法人。医師や弁護士ら有識者が評価委員になっており、全国2279病院が認定されている。大学病院など500床以上の病院では7割以上が認定病院だ。
 評価は、書面審査と2日間の訪問審査で「患者中心の医療の推進」「良質な医療の実践」などの観点から約90項目を審査する。S、A、B、Cの4段階評価で、原則すべての項目B評価以上が認定の条件になる。認定の更新は5年ごと。
 群馬大病院では2010年12月〜14年5月、保険適用外の腹腔鏡を使う肝臓手術を受け、患者8人が死亡した。手術は倫理審査を通さず行われ、患者へのインフォームド・コンセント(説明と同意)も不十分だったことがわかった。
 ところが、同病院は昨年12月の訪問審査で、「倫理・安全面に配慮しながら新たな診療・治療方法や技術を導入している」でA、「患者が理解できるような説明を行い、同意を得ている」Bと、いずれも“合格点”を得た。今年4月に認定証の交付を受け、問題が発覚した後の現在も病院のウェブサイトに掲示している。
 同機構は「このような事例を審査で見つけるのは難しい。ただ、認定病院には重大な医療事故の報告義務があり、報告があった場合は内容を分析し、問題があれば認定証の返還を求めることもある」としている。』


doctor_b3 at 09:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年11月21日

マイナンバーとは別の医療ID必要 日本医師会など声明

 一昨日のIT proの記事です。政府が主導するマイナンバー制度とは別に、医療IDの必要性に関する日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会等、3師会の声明が掲載された記事なのでご紹介します。記事では、マイナンバーとは別の医療IDが必要だ、と主張しています。個人情報保護法等、関連法案との整合性等、議論は一筋縄ではいきませんが、是非とも調整を進めてほしいものです。内容は下記の通りです。


『日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会は2014年11月19日、「医療等IDに係る法制度整備等に関する三師会声明」を発表し、マイナンバーとは異なる医療IDが必要だと表明した。また、個人番号カードへの健康保険証の機能の取り込みに反対を表明した。
 声明では、機微な医療情報を管理する番号がマイナンバー制度の個人番号のように一人ひとりに唯一無二の番号であれば、「過去から現在治療中の病気、死後にいたるまでひも付けできるということになる」と指摘。デジタルデータとして漏洩した場合は取り返しがつかないとして、医療IDは必要な場合に「忘れられる権利」「病歴の消去」「管理番号の変更」「複数管理番号の使い分け」などが担保される議論が必要だとした。
 また、政府が検討している個人番号カードへの健康保険証の機能の取り込みに反対を表明した。その理由として、「券面に個別番号が記載されているカードを医療の現場で使うことは、患者の病歴という極めてプライバシー性の高い情報が個人番号とひも付く危険性が高くなる」とし、個人番号を医療の現場で利用すべきではないとした。
 さらに、医療従事者には守秘義務(秘密漏示罪)が科されて懲役や罰金という厳罰がある一方で、個人情報保護法では事業者への行政処分の罰則にとどまり、医療従事者と同じ医療情報を取り扱えるのは矛盾だと指摘。「個人情報保護法改正案に医療情報に関する特例を規定すべきだ」とした。
 また、現行の個人情報保護法では対象外となっている死者に関する情報について、死者や遺族の尊厳について法改正などで考慮するよう要請。公益目的の研究であっても生者に近い条件で取り扱うべきだとした。
 医療情報に含まれる身体の特徴は他の情報と照合されれば個人が特定される可能性が否定できず、消費行動履歴やポイントなどと同じ扱いで済むとは考えられないと主張。医療情報の二次利用・突合に制限を求めた。
 医療以外の異業種企業が新規ビジネスとして始めている遺伝子情報の収集・解析についても、遺伝的疾患などの情報から子孫が人権侵害や差別の対象となる可能性があるとして、集積や二次利用について制限を加える形で法改正を求めている。
 一方で、地域医療・介護連携などで共通の患者番号があれば効率的になると指摘。救命活動の際には本人の同意がなくとも医療IDで関係機関が的確な情報を得られることが望ましいとした。また、法改正で新たに発足する第三者機関について、「個人情報を守る立場」の監視機関が必要だとした。レセプト(診療報酬明細書)情報の利用を踏まえて、医療従事者や医療機関などのプライバシーも求めている。』


doctor_b3 at 09:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
記事検索