2014年02月

2014年02月21日

医療費の「高齢者1割負担」がもたらすメリットとデメリット

 昨日の日経ビジネスオンラインの記事です。医療を需要と供給という経済学的観点から考察した記事なのでご紹介します。医療費の総量抑制は政府の喫緊の課題ですが、超高齢化の進展もあり、思うように進んでいません。今までの政策は医療サービスを提供する供給側からの観点でしたが、それを需要側、つまり患者側から考察したらどうなるかが記事の内容です。非常に難しい問題ですが、今後は考慮していかなければならなくなるでしょう。大いに議論が必要です。内容は下記の通りです。



『日本の高騰する医療費は、政府の財政状況を逼迫させており、医療費の抑制は、政府にとって緊急の課題である。実際、政府は、診療機関へ支払われる保険診療報酬のカットや包括支払制度の導入等の「医者や病院」といった「供給」側を対象とした医療費削減政策をいくつか導入してきた。しかし、これまでの研究から、それらの政策が医療費削減に効果的であったという証拠はあまり得られていない。
 医療費削減への代替案として、「需要」側に対するアプローチ、すなわち、「患者」に以前よりも多くの窓口負担を強いるという方法がある。しかし、患者の窓口負担の増加には、利点と難点の両方が考えられる。
利点は、窓口負担の上昇により、患者の無駄な医療サービスの利用を抑制できる点である。一方で、窓口負担を強いることにより、患者が必要な治療を受けないために、症状が悪化し、より深刻で費用のかかる病状に陥る可能性がある。もう1つの難点は、病気の際にも突然の大きな支出を避けられる保険の利点が損なわれる点である。
 しかし、自己負担額が、患者の医療サービス利用や、それに伴い患者の健康にどのような影響を与えるかを、厳密に定量的に分析した研究は数少ない。例えば、「需要」側に対するアプローチを検討する上で、最重要な指標となる「医療需要の価格弾力性」という指標がある。
 これは価格が1%変化した際に、医療需要が何%変化するかを表すが、今でも1970-80年代にアメリカで行われた研究(Newhouse, 1993)で得られた価格弾力性の推定値が、各国でベンチマークとして用いられている。これは、社会実験として人々にランダムに窓口負担を割り振って、価格弾力性を推定したものである。
 しかし価格弾力性は、時代、国、年齢、収入などによって変わる可能性のあるものであり、常に正確な値が求められる。それにこうした社会実験は、実施に膨大なコストがかかる。』


doctor_b3 at 10:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)コンサルタント日記 

2014年02月06日

健康社員で業績アップ…あの手この手 医療費も削減

 昨日の読売新聞の記事です。企業の社員に対する健康管理の取り組みについての記事なので、ご紹介します。非常に良い取り組みですね。日本には、メタボや糖尿病など生活習慣病予備軍が相当数存在しますからね。今後の高齢化に向けても予防医療は不可欠だと思います。是非とも全国の企業に広まっていくように政府も後押ししてほしいです。内容は下記の通りです。



歩数競争 メタボアプリ

『社員が健康になることで業績もアップする――。そうした健康づくりに乗り出す企業が増え、政府も後押しする方針を打ち出した。
 社員同士やライバル企業で競い合いながら、運動指導や栄養管理などの生活習慣病対策が進む時代が到来しそうだ。
 健康器具メーカー「タニタ」(本社・東京都)は2009年、230万円かけて、全社員約250人に歩数計を配布した。毎月の歩数をランキングにして社内の壁に貼りだすと、社員同士が競い合って歩数を増やすようになった。効果は抜群で、体重が平均3・6キロ減、体脂肪率も同1・7%減った。同社広報室によると、「医療費まで2年で550万円も減らせた」という。
 コンビニ大手の「ローソン」(同)は、健康診断で肥満や高血糖などメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)のリスクが高い社員をピックアップ。彼らを対象にした専用のアプリを作成し、その日にとった食事のカロリー量を携帯電話で簡単に確認できるようにした。
同社広報は「医療費削減の目的もあったが、社員の健康意識が上がったのは確実。それにより、社員一人ひとりの仕事の効率も上がってきているのではないか」と期待を込める。
 日産自動車(本社・横浜市)は、高層の高級ホテルや観覧車などの夜景が美しい横浜港周辺の観光名所「みなとみらい」地区をランニングするイベントを実施。昨年は6回開催した。大手家電メーカー「パナソニック」(本社・大阪府)は、運動会のような「玉入れ」イベントを開き、「社員同士のコミュニケーションが進み、笑顔が増えた」と、メンタル面での効果も語る。
 こうした取り組みに関心を持つ企業を相手に、社員が将来的に負担する医療費がどのくらい変化するかを示すソフトを開発し、売り込む企業も登場した。
 成長戦略を打ち出す政府も、社員の健康づくりを応援する方針。
 今年6月までに、健康・医療戦略推進本部に設けた有識者会議「次世代ヘルスケア産業協議会」で、健康対策の効果をとらえるための指標作りに着手する。
 具体的には、健診でメタボリックシンドロームと判定された社員の割合や、健診で再検査となった社員の割合などを指標とし、「見える化」を図る。健康づくり事業例もリスト化する。これにより、各社が競い合いながら、糖尿病や高血圧症の早期発見や生活習慣病の予防を進めていくことを目指している。』(2014年2月5日 読売新聞)

doctor_b3 at 09:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)コンサルタント日記 
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