2013年12月

2013年12月20日

「国民医療を守る議員の会」の開催を受けて

 本日の日医ニュースの記事です。日本医師会の横倉会長が来年に控える診療報酬改訂に向けて意見を述べた記事なのでご紹介します。別のブログでも述べましたが、財源の必要な所には予算を充てて、逆に現在無駄の削減や効率化が必要な所には予算を削るというメリハリが必要に思います。政策担当の方はもっと現場を見ないといけません。内容は下記の通りです。


『横倉義武会長は,十一月十九日に開催された自民党の議員連盟「国民医療を守る議員の会」の総会に参加したことを報告するとともに,次期診療報酬改定に向けた見解を述べた.
 同会は,国民医療を守ることを趣旨とした,衆議院議員二百三十二名,参議院議員七十五名という自民党議員の約七五%が加入する大きな議員連盟で,次期診療報酬改定では医療環境の整備につながる医療費の獲得を目指している.
 横倉会長は,「国会議員の先生方が,国民医療を守らなければいけないという強いお気持ちで馳せ参じて頂いたものと思い,大変にありがたく,感激した」との感想を述べた上で,総会において,(一)過度の規制緩和への懸念,(二)医療と介護が協働する地域包括ケア体制の整備の必要性,(三)次期診療報酬改定に対する要望─について説明したことを報告.特に,(三)の次期診療報酬改定については,消費税増税による増収分を社会保障に充てることは国民との約束であり,改定に当たっては,消費税対応分と本体部分を分けて扱うこと,また,地域医療の担い手である有床・無床の診療所と中小病院に重点を移すよう要望したことを説明した.
 更に,今村聡副会長からも,「次期診療報酬改定のプラス改定の財源を確保すること」「消費税引き上げ時に,医療機関が控除対象外消費税の負担をしている問題を解決するべく対応すること」の二点を要請したことを紹介.
 その後の議論では,予算編成において,医療充実のための十分な財源を確保する必要性に関するコンセンサスが得られたとし,「この議員連盟の先生方と密接に連携を取りながら,次期診療報酬改定において,地域の医療を再興するために必要な財源を確保するべく,全力を尽くす決意を新たにした」と述べた.
 次期診療報酬改定に関しては,消費税増税と社会保障改革は一体であり,増税分によって得られる財源を社会保障に充てることは国民との約束で,これを違(たが)えてはならないと強調.
 その上で,(1)医療の充実に充てるための最低限の診療報酬本体の積み上げ(2)消費税八%への増税分の補填(ほてん)(3)地域医療再興のための費用─の三つにおいて,プラス改定を強く要求するとした.
 (1)では,国民との約束事である社会保障と税の一体改革において,既に医療・介護の提供体制の改革に約一千億円を充てるとしていること,(2)では,日医で試算を行った結果,消費税増税分を賄うための控除対象外消費税は,国庫と地方を合わせた必要財源額が約二千二百億円であることを説明(なお,これはあくまでも八%導入への必要額であり,この他に過去の控除対象外消費税の上乗せ不足は依然として存在する).また,(3)では,切れ目のない医療を提供するために必要な財源の上乗せを更に求めるとした.
 更に,横倉会長は,診察,薬剤の支給,処置等は健康保険法においても不可分一体であり,その財源を切り分けるべきではなく,薬価引き下げ分は地域医療の再興の原資に充当するべきと主張した.』

doctor_b3 at 09:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)コンサルタント日記 

2013年12月05日

医者は社会から断絶された存在!? まるでドラマの医療業界の“ムラ化”の実態

 昨日のビジネスジャーナルの記事です。最近は医療を題材にしたテレビドラマも多いですね。ドラマで展開されている内容に近い状態が、実際の大学病院や医局でもある、と知り合いのDRに聞いています。やはり医療は患者本位で成り立つものだと思います。今後少しずつ体制も変わっていくのではないかと思います。内容は下記の通りです。


『日本の医療の崩壊が叫ばれて久しい。
 医療費の高騰や患者のたらい回し、医療訴訟、医師不足、地域医療の崩壊など、「医療危機」について他人事ではないと考えている人も多いはずだ。なぜならば、生まれてから死ぬまで医療機関に関係しない人はいないからだ。
 だからなのだろうか、医療に関するスキャンダルはセンセーショナルなものになりやすく、日本国民の視線はかなり厳しい。そうした中で、医師たちは患者の命を救うべく、過酷な勤務をこなしているという現実がある。
 科学ジャーナリスト賞2011を受賞した『博士漂流時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)の著者であり、病理医(病理診断を行う医師のこと)の榎木英介氏は『医者ムラの真実』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)で医療業界のリアルな状況を描き出している。本書には “告発本”や週刊誌の記事にあるようなセンセーショナルな書き方はなされていない。榎木氏が医師として見ている業界内部が淡々と書かれている…のだが、やはり私たち一般人から見ても、医師の世界は変わっているということがよく分かる。
 榎木氏が医療業界を「医者ムラ」と呼ぶ理由の一つとして、「学閥」によって業界が鳴り立っていることがあげられる。そして、その学閥はいくつかのグループに分けることができる。

●国公立大学
・旧帝国大学(東京大、京都大、東北大、北海道大、大阪大、九州大、名古屋大)
・旧六医科大学(戦前に医学専門学校だった6つの大学。千葉大、新潟大、金沢大、岡山大、長崎大、熊本大)
・新八医科大学(戦前の旧制大学由来の官立医科大学が戦後新制医大に移管したもの中心。東京医科歯科大、弘前大、群馬大、信州大、鳥取大、徳島大、広島大、鹿児島大)
他に旧設医科大学、新設医科大学。

●私立大学
・私立旧制医科大学(大正時代に設立された御三家。慶應義塾大、東京慈恵会医科大、日本医科大)
・日本大学医学部
他に旧設私立医科大学、新設医科大学。

 榎木氏によれば、学閥関係なく実力で教授が選ばれることもあるものの、この学閥が完全に駆逐されたわけではなく、人的ネットワークとして機能しているという。
 では、どうして学閥が生まれるのだろうか。それは医学部の特異性が要因としてあげられる。医学部は多くの大学で別の校舎にあり、人間関係はその学部内でしか形成されなくなる。もちろん、連帯感が生まれるという良い効果があるが、他学部の学生とのつながりはなくなり、いわゆる“社会から断絶されている”状況を生みやすいのだ。それと、忙しいのでアルバイトをすることも難しいということも付け加えておこう。
 さらに、それぞれの大学の医学部には関連病院がある。関連病院、通称「ジッツ」は、医師が特定の大学の意向で決められている病院のこと。特定の大学と提携することで医師を安定的に派遣してもらえる一方で、大学側も医師の就職先を斡旋できるメリットがある。この関連病院の数は大学によってかなりの差があり、歴史の古い大学ほど、多い傾向にある。すなわち、旧帝国大学グループにある大学の関連病院の数は多くなるのだ。
 しかし、関連病院に医師を派遣するのは大学ではないし、その大学の学長でもない。では誰がするのか、というと「医局」という存在だ。「医局」とはそれぞれの大学の診療科を指す。たとえば、循環器内科とか呼吸器外科に所属することを「入局する」などというそうだ。そして、榎木氏はこの「医局」を「診療科を単位として、その科の教授を頂点とする運命共同体」と解釈している。しかも、「医局費」という会費を徴収するところが多くあるそうで、「まさにみかじめ料だ」と指摘する。
 そういった構造なので、医局の頂点となる「親分」たる教授を選ぶ「教授選」は、医局の末端の医師たちにとっても大きな出来事となる。誰が教授になるかで医局の命運がかかっているので、怪文書が出回ったり、そのタイミングでスキャンダルが明るみになることもあるそうだ。
そして、トップが変われば運営の方針も仕事のやり方もガラリと変わる。患者そっちのけで教授選が優先される。そこにあるのはプライドとキャリアだ。まさに、ドラマの世界である。また、大きな医局で安泰な医師がいるということは、医局に所属していなかったがゆえに力を発揮する場所がない医師を生み出すことを榎木氏は指摘する。』

doctor_b3 at 09:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)コンサルタント日記 
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