2011年06月24日

新たな終末期医療 注目

 昨日の朝日新聞富山版のきじです。新たな終末期医療についての取り組みが掲載されています。今後の終末期医療のあり方について、大変参考になる記事ですので、ご紹介致します。内容は下記の通りです。


「患者宅」に診療所併設:砺波「ナラティブホーム」

『病院の医療サービスと在宅のあたたかみの双方を採り入れた、砺波市の医療法人社団「ナラティブホーム」の取り組みが、超高齢社会を迎えた時代のモデルケースとして注目されている。背景には、人生の最終章をその人らしく過ごしたいという、高齢者や家族のニーズの高まりがある。
「補助金なし」関心
「奇声やいびきの聞こえる落ち着きのない病室で、家族に臨終の報告をするのがつらかった。こんな最期を望んでいただろうか」

 ナラティブホーム理事長の佐藤伸彦医師(53)は、総合病院の勤務医として終末期医療に携わるうち、病院でも在宅でもない選択肢を考えるようになった。
 高度成長期の1970年代、自宅で亡くなる人と病院で亡くなる人の数が逆転した。今では8割以上が病院で死を迎えている。自宅で死にたいと思う人はいても、核家族化で面倒をみる家族がいないなどの理由から、病院を選ぶしかなくなってきている。

・がん・認知症も 
超高齢社会では認知症の患者ががんにかかるケースも珍しくない。しかし、終末期の患者に緩和ケアを行うホスピスでは認知症を理由に入所を断られ、認知症の高齢者を世話するグループホームなどの施設ではがんを理由に断られる。行き場のない患者がたくさんいるという。
 昨年4月に始めたナラティブホームは、認知症でもがんでも、受け入れを拒むようなことはない。高齢者向け賃貸住宅「ものがたりの郷」に、診療所や訪問看護ステーションを併設。自宅でふだん通り暮らしながら、いざとなれば24時間医療サービスを受けられる安心感がある。
 「ナラティブ」は「物語」を意味する言葉。一人ひとりの人生という物語を大切にしようと名付けた。

・16室ほぼ満室
 ナラティブホームでは、これまでに約30人をみとった。疎遠になっていた息子が毎日のように看病に通ったり、臨終直後に別れた元妻が駆けつけたり、いろんな最終章があったという。
 佐藤医師はもちろん、看護師や介護士、ヘルパーのスタッフも、それぞれが物語に関わる。来し方の話を聞いて書き留めたり似顔絵を描いたり。亡くなった後は家族に贈る。
 「だんだんと弱っていく姿を見ることで、最期の時を迎える覚悟ができました。おばあちゃんは素晴らしい贈り物を残してくれました」
 祖母をみとった孫が、佐藤医師に宛てた手紙の一節だ。ほとんどの家族が「最期を一緒に過ごせて良かった」と感想を述べるという。1、2カ月で亡くなる人が多いが、ものがたりの郷の16室はいつもほぼ満室だ。

・全国から視察
 地域に安心して住むことができる住環境を調査、研究する日本居住福祉学会(会長・早川和男神戸大名誉教授)は5月、ナラティブホームに「居住福祉資源認定証」を贈った。早川会長は「終末期居住の優れた先例。超高齢社会で今後ニーズが高まるのは間違いない」と認定理由を語った。
 全国の医療・介護関係者の視察も増えてきた。関心の的は「補助金もなしに経営は成り立つのか」だ。佐藤医師の答えは「成り立っている」。わずかな黒字だが、「赤字にならず維持できれば十分」という。
 患者や家族の金銭的負担は重くない。新しい形態のため、保険外のサービスもあるが、大抵は「医・食・住」が月15万円で収まる。従来の病院のなかには、個室料金だけでも月15万円以上かかるところが多いという。
 ナラティブホームは、1人だった診療所の医師を4月から2人態勢にした。「一緒にやりたい」とかねてから希望していた後輩だ。ナラティブホームのような終末期医療をやりたいという医師や学生は多いが、実践する場がないのが現状だ。佐藤医師は「患者と医師の双方のニーズがある。受け皿作りに国も力を貸してほしい」と話し、近く厚生労働省の関係者に掛け合うつもりだ。』



doctor_b3 at 09:04│Comments(0)TrackBack(0)コンサルタント日記 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
記事検索