2011年03月04日

受診控えで死亡 国民の命を守る社会づくりを

 本日の愛媛新聞の記事です。先日、別のブログでも同じテーマについて原稿を書きましたが、本当に深刻な事態ですね。一刻も早く対策を講じるべきです。政治家も党の内紛や他党の揚げ足取りばかりしている場合ではないですね。内容は下記の通りです。


『「最小不幸社会の実現」をうたう政府が運営する、これがこの国の実態なのか。
 国民健康保険(国保)の保険料滞納で無保険になったり、加入しているが医療費負担ができず受診が遅れたりして亡くなった人が、昨年は24都道府県で71人に上った。
 前年の47人の1・5倍だ。あらゆる国民が十分な医療を受けられる国民皆保険制度が始まって半世紀だが、調査した全日本民主医療機関連合会(全医連)は「もはや国民皆保険制度は崩壊している」と指摘している。
 厳しい経済状況や雇用情勢の中、格差が是正されないままの日本社会。経済の右肩上がりの時代は終わり、人口減、高齢化が進み、保険制度の理念は揺らいでいる。
 いまの日本は貧困が再生産されているだけでなく、富の不均衡が国民の命さえ奪っている。この現実を、社会全体が共有しなければならない。
 国民の命を守るのが、まずは政治の要諦だ。現実に受診できない人がいる現状を認識し、まずはその救済に最優先で取り組む必要がある。
 全医連によると、71人のうち保険料を滞納していた人が42人。うち、全く保険がない「無保険」は25人に上る。また、職業別では無職が26人、非正規10人など、生活困窮の実態を反映している。
 格差はいまも、着実に広がっているのだ。
 腹水が出たが約5カ月間、がまんし続けた人。銭湯などで寝泊まりし初受診からわずか12日後に亡くなった人。車中泊で保護されたが手遅れだった人、などなど。
 やりきれない。無念の死を迎えた人々に、手を差し伸べられなかった社会。救うことができなかった行政。これが世界トップクラスの国内総生産(GDP)を誇る、先進国の現状なのだ。
 しかもこの数字は、おそらく氷山の一角であろう。
 民医連が調査した医療機関は加盟病院や診療所計1767施設だ。さらに多くの困窮者がいるのは確実で、国には実態調査を求めたい。
 救済策として、低所得者などの支払いを減免する「無料低額診療事業」を行う病院が増えている。自治体によっては無保険の場合も、条件によって減免する例もある。
 しかし制度の周知は進まず多くの生活困窮者は救われないままだ。医療機関と生活支援団体、行政などが連携し、救える命を確実に救うシステムの構築も急がれよう。
 本来は、社会的弱者を生まない社会こそを目指さねばならない。国保制度の見直しはむろん、経済を再生し雇用を安定させ、国民が安心して命を預けられる社会を構築することこそ、国の責任だ。
 「最小不幸社会」とは、そういうことではないのか。』



doctor_b3 at 08:55│Comments(0)TrackBack(0)コンサルタント日記 

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