2014年09月05日

医療費抑制には病院に行かないようにするのが一番?

 本日の「THE PAGE」の記事です。各県の医療費削減について記載された記事なのでご紹介します。ご存知のように国民医療費は毎年上昇し続けており、2011年度は38兆円でした。一方で高度先進医療等、医療技術は進歩を続けています。記事にもあるように、風邪などの治療には大衆薬で対処し、命に直接関わる治療には、高度先進医療等、医療費を重点配分するなどの根本的な見直しが必要ではないかと思います。内容は下記の通りです。



『危機的な状況にある日本の医療財政を健全化するため、各地で様々な取り組みが始まっています。こうした取り組みは効果があるのでしょうか。
 秋田県では、複数の製薬会社が連携し、病院で大衆薬を処方する実証実験が始まると報道されています。病院では、通常、医師の処方箋をもとにした医療用の薬が処方されますが、価格が高いため医療費高騰の原因となっていました。風邪など軽い症状の場合には、価格の安い大衆薬を活用しようという試みです。
 医療費を抑制するやり方がある一方、そもそも医者にかからないようにしようという取り組みもあります。岡山県総社市では、特定健康診査を受けて、1年間医者にかからなかった世帯には、もれなく1万円を支給するという取り組みを始めています。病気にならなければ、そもそも医療費がかからないだろうという発想です。
 長野県は長寿県として知られ、2010年における長寿トップとなっています。一方、長野県は一人当たりの老人医療費が18年間連続で全国最小という記録を持っています。また、医師数や病院数が少なく、平均入院日数も短いという特徴があります。つまり、病院そのものが少ないため、めったなことでは医者にかからないという生活習慣が定着しており、逆にこれが長寿の要因になっている可能性があるのです。
 日本では年金の維持可能性がよく話題に上りますが、実は医療財政の方が状況はより深刻です。2011年の国民医療費の総額は38兆6000億円に達しており、2020年には現在より30%も支出が増加する見込みです。同期間における、年金の支出増加の予想は約9%ですから、医療費の膨張がいかに大きいかが分かります。
 医療費は年金と異なり、積立金というものが存在しません。保険料収入や国庫からの補助が減少してしまうと、そのまま医療サービスの低下につながってしまうという特徴があります。
 政府は、保険診療と自由診療(全額自費による診療)を組み合わせた混合診療の導入を検討しています。新しい薬や治療法を柔軟に選択できるなど、患者の利便性向上が期待できるとしていますが、背景には自費による治療を増やして医療費を抑制したいという狙いがあるのは明らかです。
 日本では国民皆保険制度のもと、保険料さえ納めていれば、誰でも医者にかかることができる社会を実現してきました。しかし、一方で、安易に病院に行く人が増え、医療費を際限なく膨張させてきたのも事実です。貧富の差に関係なく病気の治療ができる国民皆保険制度を維持したいのであれば、医療費の抑制策や、そもそも病院に行かないようにする取り組みは、必須のものといえるでしょう。』


doctor_b3 at 09:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)コンサルタント日記 

2014年08月22日

医療事故調が来秋スタート、過去の教訓生かせるか

 昨日の日本経済新聞の記事です。医療事故の再発防止に向けて医療事故調査制度が来秋発足するという内容の記事なのでご紹介します。医療事故で亡くなる患者は年間4万人と推定されています。様々な要因があると思いますが、これまでは、まず調査をするのは、当事者である病院でした。内部調査では、事故隠しや原因の隠匿等が多数指摘され、今回の調査制度発足へとなっていきました。今後、この精度がどう活かされていくか動向を注目したいと思います。内容は下記の通りです。



『患者が予期せずに死亡した医療事故で、原因を分析して再発防止に役立てる医療事故調査制度が来年秋から動き出す。事故が起きた場合は第三者機関に届け出るが、最初に調査するのは医療機関自身だ。これまでの内部調査は「事故隠し」や個人に責任転嫁する事例もあり、厚生労働省は調査の指針作りを進めている。遺族らは「過去の教訓を生かして透明性の高い調査態勢をつくってほしい」と求めている。
 「医療事故で亡くなる人は年間4万人という試算がある」。2日、東京医大病院(東京・新宿)で開かれた「医療安全誓いの日」の講演で、名古屋大医学部の長尾能雅教授は医師や看護師など病院職員を前に語り掛けた。「日本人の死因では、がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎に次ぐ5位に相当する可能性がある」と続け、「医療には万単位のリスクがある」と強調した。
 同病院では2004年、同じ医師が執刀した心臓手術で患者の死亡が相次いでいることが内部告発で発覚。遺族らの証拠保全から4日後、内部調査の結果として「合併症などが原因」と事故を否定。だが第三者の専門家による調査委員会は「未熟な医師に難手術をさせていた」「患者の安全より医師の訓練を重視した医療事故」と覆し、内部調査の限界を露呈した。

第三者機関への報告義務
 6月に関連法が成立し、来年10月から治療中の患者が予期せず死亡した場合、原因を分析して再発を防止するための調査が全医療機関に義務付けられることになった。医療機関は第三者機関「医療事故調査・支援センター」に結果を報告する仕組み。厚生労働省は7月に研究班を設置、調査のガイドライン作りをすすめている。東京医大病院の事故で母親(当時68)を亡くした川田綾子さん(43)は「調査は医療機関側の判断だけではない客観性と公平性が不可欠」と教訓を生かすことを望む。
 昭和大藤が丘病院(横浜市)で02年に副腎腫瘍の腹腔(ふくくう)鏡手術後に亡くなった女性(当時29)のケースも教訓の1つだ。病院側は「医療ミスではない」としていたが、学会が手術の動画を鑑定した結果、脂肪と間違えて膵臓(すいぞう)の一部を切除したことが判明、謝罪した。
 同病院の内部調査には東京医大病院と同様、事故に関わる診療科部長が関わっていた。医療問題弁護団代表の鈴木利広弁護士は「事故に関与した診療科の関係者は当事者に極めて近く、調査対象にもなる。公正性確保のため調査委員にすべきではない」と主張する。

「誠意ある対応不可欠」
 東京女子医大病院(東京・新宿)で01年に小学生の女児が心臓手術後に死亡した事故も内部調査が覆された。人工心肺装置の回転数を上げたことが原因とし、担当医は警視庁に業務上過失致死容疑で逮捕されたが、その後、学会の検証で装置の不具合が判明。判決では担当医の過失は否定されて無罪が確定した。
この医師は「内部調査報告書の誤りを主張したが、反映されなかった。当事者の意見が内部調査結果と異なる場合は併記すべきだ」と訴える。
 同病院では今年2月、子供には原則禁止の鎮静剤「プロポフォール」を投与された男児(当時2)が死亡する事故が起きたが、投与の事実を遺族に伝えずに院内で解剖。その後に内部調査を始めたため、遺族は不信感を募らせている。
 03年に診断ミスで長男(当時5)を亡くした豊田郁子さん(46)は、病院が内部調査していたことさえ知らされなかった。「信頼される調査のために最初から誠意ある対応が必要。事実を共有し、遺族の思いや疑問点を丁寧に聞き取ってほしい」と求めている。

医師処分と連動させず 再発防止へ問われる姿勢
 新たな医療事故の調査制度は、結果を厚生労働省などに通知しないため、仮に医師の過失が重大と判断されても医師免許の取り消しや停止など行政処分には直結しない。「事故を起こした当事者が調査に協力せず、原因分析ができない」という声が上がったためだ。
 医師免許を与える厚生労働相は免許の取り消しや停止などの処分も可能だが調査権限が弱く、診療報酬の不正請求や刑事裁判で確定した場合など事実が明確なケースに限られている。
 こうした中、民事訴訟の判決を基に処分した初の事例が1980年に発覚した富士見産婦人科病院事件だ。民事訴訟で「健康な女性の子宮や卵巣を摘出した」と組織的な不法行為を認定され、2004年に最高裁で確定、厚労省は元院長の免許を取り消した。だが表面化から約25年要した。
 事故調査で技量不足など問題が判明した場合、どう対応するのか。新しい制度では再発防止のために医療界の姿勢が問われることになりそうだ。』




doctor_b3 at 09:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)コンサルタント日記 

2014年08月08日

コニカミノルタ、クラウドで在宅医療支援 医師ら情報共有

 昨日の日本経済新聞の記事です。コニカミノルタが自社で運営するクラウド型電子カルテシステムと連携させた在宅医療支援システムを月内に開始するという記事ですのでご紹介します。IT技術を活用した医療連携が徐々に広まりつつあります。こうした技術を利用して、医療機関や介護事業者、そして患者さんの利便性が向上すること、そしてそれにより、医療・介護の無駄が削減されることを期待します。内容は下記の通りです。


『コニカミノルタは月内に在宅医療を支援する新しいクラウドサービスを始める。自社で運営するクラウド型電子カルテシステムと連携し、医師や訪問看護師、介護士、薬剤師が患者の状態に加えて、薬の処方状況などの情報も共有する。自宅でより安心して療養できる環境を整え、医療費の削減につながる在宅医療の拡大を後押しする。
 在宅医療は1人の患者に別々の組織に所属する医師や看護師、介護士などが関わる。現状は患者宅に置いたノートへの書き込みや電話・FAXでのやりとりなどで情報を共有する例が多い。新サービスはこうした手間を省くことで医療の効率と質を高める。
 新サービスは在宅医療を手掛ける診療所や病院と契約。診療所などが指定する看護師や介護士がタブレット(多機能携帯端末)やパソコンを使って、ネット上で保管する患者の情報を共有する仕組みにする。
 患者の自宅を訪問する際、看護師や介護士はタブレットを持参。その場で患者の状況や体温・血圧の測定結果、カメラで撮影する患部の写真などをクラウド上のシステムに入力する。処方薬の効き具合などの観察結果も共有し、医師の診療に役立てる。
政府は医療費抑制に向けて、入院患者を減らす方針。在宅医療を支援する機能を備えた診療所や病院は2012年時点で全国に約1万4000件ある。コニカミノルタの新サービスは医師など10人で利用する場合、初期費用が20万円、1カ月当たりの利用料は2万円。3年後には1000施設での導入を見込む。』



doctor_b3 at 10:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)コンサルタント日記 
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